top of page

【実話】『10000キロの約束』

  • 執筆者の写真: 山村 一颯
    山村 一颯
  • 1月13日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月2日



これは、実話に基づいた話である。


岐阜県飛騨市。自然豊かなこの町で育った高校生・翔太(しょうた)は、農家の息子として家業を手伝いながら平凡な日々を送っていた。「こんな田舎、一生ここで過ごすなんて無理」とぼやきながらも、将来の目標は特に決まっていなかった。


そんな彼が卒業式の日、突如「地元に戻って起業する!」と周囲に宣言する。家族も友人も驚きを隠せない中、翔太の決意は揺るがない。まずは上京し、アルバイトで学費を稼ぎながらWebデザインを学び始める。そして、地元の特産品や文化を世界に発信する仕組みを作るという夢を思いつく。


その次のステップとして翔太はお金を貯め、マルタ共和国への長期留学を決意。異国の地での生活は刺激に満ちていたが、初めての海外に緊張し、思うように話せない自分に落ち込むこともあった。そんなある日、地元の小さなカフェでのんびりしていると、陽気な女性・エミリアが話しかけてきた。「隣、いい?」と屈託のない笑顔で座った彼女は、地元出身で世界を旅するのが好きな女性だった。


エミリアとの出会いは翔太の留学生活を一変させた。英語の会話が苦手だった翔太も、エミリアのおおらかな性格に助けられ、次第に自信をつけていく。彼女との会話を通じて翔太の視野は広がり、地元の特産物を世界中の人々に届けるプラットフォームを作るアイデアがさらに具体化していった。そして留学中にそのWebサイトを立ち上げ、初めての売上を得る。


やがて留学期間が終わり、日本に帰る日が近づく。翔太とエミリアは離れ離れになることを恐れつつも、遠距離恋愛を決意。およそ10,000キロ離れた距離を超え、SNSやビデオ通話を駆使してお互いを支え合う日々が始まった。


2年間の遠距離恋愛を経て、エミリアは「あなたと一緒に未来を作りたい」と日本に移住することを決意。翔太の地元である飛騨市で二人の新たな挑戦が始まる。翔太のWebサイトも成長し、地元の農産物が世界中の人々に愛されるようになる。夢と愛、どちらも諦めなかった二人が手にした新しい生活の物語は、これからも続いていく――。

  • Instagram
  • Facebook
  • X

Contact

© 2025 Issa Yamamura

bottom of page